しかし、その状態がいつまでも続くわけがありません。
また元のレベルの8%くらいになってしまうことも十分ありうるわけです。
8%になったら、ローンの金利負担は現在の3倍に跳ね上がります。
「25%ルール」がありますから、支払いは急激に増えませんが、年収の2割程度をローン返済に回している人は、将来的に年収の4~6割を支払うことになるかもしれないのです。
こんな家計環境に耐えられる人がいるわけがありません。
住宅ローンを組んで、そうした金利リスクにまともにさらされている人が、いくら残りのおカネで株を買って資産を増やそうとしても、リスクがどんどん大きくなるばかりです。
金利が上がったらどうしようなどと心配しながらかつかつの生活を送るというのは、不健康なのではないでしょうか。
まちがっても、「ローンが払えなくなったら、家を売ればいい」などと楽観してはいけません。
そういうとき、家の値段は多くの場合下がってしまっているのです。
2007年に入ってから、「サブプライムローン」という言葉をよく聞くようになりました。
これは、米国における低所得者層向けの個人住宅ローンにおける焦げ付き問題のことを指しています。
米国やヨーロッパではサブプライムローンを証券化した高利回りの「サブプライムを含む住宅担保証券(RMBS)」を購入した投資銀行やヘッジファンドが、多額の損失を被って大問題となりました。
米国証券大手のBでは、系列のH社が経営破たんしてしまったほどです。
もっとも、サブプライムローンの残高は昨年末時点で1兆3000億ドルですから、160兆円の規模の話です。
P米国FRB(連邦準備制度理事会)議長は2007年2月8日の議会証言で、「サブプライム関連の損失は、1500億ドルに上る可能性がある」と発言して物議を醸しましたが、その値でみても、米国の経済規模の1%程度です。
また、同国で1980年代後半に起こったS&L危機の際の2%と比べても少額であり、90年代に大問題となった日本の不良債権問題1少なく見積もって経済規模の8%、多く推計すれば20%との比較でみると、対処可能な問題のように映ります。
ちなみにわが国の場合、不良債権問題を解決するために注ぎ込んだ公的資金の額だけでGDPの3%になります。
その経験から言えば、サブプライムは、誰が損失を被っているか分からないという意味で、悩ましい問題であり、世界的な信用収縮が発生することにより、各国の景気を少なからず下押しすることは事実ですが、欧米の金融システムが瓦解してしまうという致命的な問題ではありません。
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